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ジャガイモ:春植え(種イモ)

基本情報

ジャガイモ:春植え(種イモ)

栽培難易度

煮物やカレーなど、食卓でお馴染みのジャガイモ(じゃがいも)。ホクホクとした食感は、ほっこり安心させてくれますよね。
実はこのジャガイモ(じゃがいも)、2~3ヵ月ほどの比較的短い栽培期間で、種イモの5~10倍もの量が収穫できるお得な野菜なのです。植えてしまえば意外と簡単に育てられるので、春からベランダ菜園にチャレンジしたいという方におすすめです。

科名 属名
ナス科ナス属
収穫までの期間
約90日
主な病気
モザイク病・そうか病
主な害虫
アブラムシ類・テントウムシダマシ・ヨトウムシ類
生育適温
15~24℃(20℃前後が最もよく育つ)
必要な栽培スペース
プランターの周囲に約10cmほど余裕があればOK
水やり
土が乾いたとき
酸性~弱酸性(pH5.0~6.0)

栽培スケジュール

栽培スケジュール
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深町貴子

深町貴子/アドバイザー

園芸家。NHK趣味の園芸「やさいの時間」講師等、数多くのメディアで活躍。
園芸の魅力を語る講演・講座も人気。

準備

プランター
深めのプランターを用意しましょう。
容量は45Lが目安です。
(幅60cm×深さ30cmくらい)
野菜用の培養土
水はけのよい土を選んでください。
肥料が既にブレンドされた「元肥タイプ」の培養土がおすすめ!
化成肥料
元肥タイプを使用しない場合に化成肥料を土に混ぜます。
また、生育中の肥料として使用します。
底石用の軽石+ネット袋
水はけをよくするためにプランターの底に入れます。その際、ネット袋があると片付けの際楽なので、ネットに入れて底に浅めに敷きます。

植え付け

1. 種イモを選ぼう

ジャガイモ(じゃがいも)を育てるにはまず「種イモ」を用意します。食用のジャガイモ(じゃがいも)を種にして育てると、ウイルス病にかかっていて生育が悪かったり、収穫できない可能性があるので、園芸店や種苗店で専用の種イモを購入して植え付けましょう。

初心者向きの品種

男爵・メークイン・キタアカリ・ノーザンルビー・とうや

選び方

○良い種イモ

皮にハリがあり、芽が分散しているもの。

×むかない種イモ

皮にしわが寄って、芽が一箇所に集中しているもの。

種イモは30~40g位の大きさが適当とされています。そのまま植えることができ、腐りにくくなるので、小ぶりのものを選びましょう。

2. 種イモの芽出し

購入時のポイント

植え付けの1ヵ月前に種イモを日光に当て、丈夫な若芽を伸ばしましょう。
10~20℃の暖かい場所に乾燥しないようにペーパー等をかけて芽が出るのを待ちましょう。
これにより、発芽が早くなるため収穫時期を早め、茎数を増やすことで収穫量も増します。

3. 種イモの植え付け準備

購入時のポイント

種イモは30~40g位の大きさが適当とされています。
そのため、60gの種イモ(卵ぐらいの大きさ)なら2つ切りに、100g位なら3つ切りにしましょう。
大きな種イモは切り分けた後、2~3日ほど風通しのよい日陰に置き、切り口を乾かすと発芽が良くなります。

4. 種イモの植え付け

底石用の軽石をネットに入れて、軽く水で洗いプランターの底に薄く敷いてください。それから、土をプランターの半分の深さまで入れてください。

切らなかった種イモは、そのまま芽がよく出ているほうを上にして、切った種イモは、切り口を下にして7~8cmの深さに植え付けます。
種イモの間隔は20~30cmで、5~7cmほど土をかぶせて、軽く手のひらで押さえておきましょう。

元肥タイプの培養土を使わない場合は、種イモの間に肥料を30gほどまいて、5~7cmほど土をかぶせて軽く手のひらで押さえておきましょう。

最後に、プランターの底から水が出るぐらいたっぷりと水をあげて終了です。

深町さんのワンポイントアドバイス!
気温が低い春植えは、植え付けから地上に芽が出るまで1ヵ月以上かかります。途中で不安になり、植え付けた場所を掘りたくなりますが、芽を傷つけるのでやめましょう。
植え付けから芽が出るまでは水やりは不要です。芽が確認出来たら最初の水やりを鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと。その後は葉が萎れかけてから与えるので十分です。
深町貴子

深町貴子/アドバイザー

園芸家。NHK趣味の園芸「やさいの時間」講師等、数多くのメディアで活躍。
園芸の魅力を語る講演・講座も人気。

栽培

1. 芽かき(1ヵ月後)

ポイント

芽かきとは、ジャガイモ(じゃがいも)から生える芽を途中で刈り取ってしまうことです。ジャガイモ(じゃがいも)は放っておくと、どんどん枝葉が伸びて生い茂ってしまいます。すると、栄養分が実に行き届かず、実が大きくなりません。ジャガイモ(じゃがいも)を大きくするためには、芽かきが必要不可欠なのです。

タイミング

1つの種イモから芽が3~6本出て、丈がだいたい8~15cmくらいになったら

方法

丈夫そうな芽を1~2本残して、あとはすべて取り除きましょう。ジャガイモ(じゃがいも)の芽かきを行う際は、地面をしっかり押さえて、取り除く芽を横に倒すように引き抜くのがコツです。

2. 土寄せ・増し土 1回目(芽かきと同時)

ポイント

土寄せは、株の根元に土を寄せてかぶせることです。増し土は、土の量を増やすことです。土寄せと増し土をすることで、水はけと通気性がよくなり、イモの腐敗や病気を予防することができます。
増し土をしないと、大きくなったジャガイモ(じゃがいも)の実が露出して日光を浴び、緑色に変色して品質が劣化する原因になるので注意が必要です。

タイミング

株の根元に新しい土を5cmほど足し、株元に土をかぶせて軽く押さえます。増し土を行うことで大きなイモが生育するスペースを作ります。

3. 土寄せ・増し土 2回目(つぼみがつき始めたら)

草丈が30㎝程度になったら、主枝の先端を切って摘心をします。

4. 挿し木

方法

増し土は10cmくらいたっぷりと行いましょう。さらに、ジャガイモ(じゃがいも)が土から顔を出さないようにしっかりと土寄せします。

ポイント

土寄せが不十分だと、イモが露出して緑色になる原因となるので、しっかり株元に土をかけるようにしましょう。緑化すると「ソラニン」という毒素が増え、食べられなくなることもあります。

収穫

タイミング

花が咲き、数週間後に花が咲き終わると、葉や茎が黄色く枯れ始めます。これが収穫の合図です!

雨が続いている時期や梅雨時の収穫は、イモが腐敗しやすく貯蔵性も悪いので、晴天が2~3日続いた後、天気のいい日の収穫がおすすめです。

収穫した後は、半日程度日光に当ててイモの表面を乾燥させてから、日の当たらない場所で保存するようにしましょう。

ポイント

ジャガイモ(じゃがいも)の芽や、緑色に変色した実の部分は、ソラニンという有毒アルカロイドを含むので注意が必要です。厚めに皮をむいて加熱すれば食べられますが、少しでも気分が悪くなった場合は、すぐ食べるのを止めましょう。
収穫後のジャガイモ(じゃがいも)でも、日の当たる場所にずっと置いておくと緑化します。
病気にかかってしまったジャガイモ(じゃがいも)も収穫しないようにしましょう。

深町貴子

深町貴子/アドバイザー

園芸家。NHK趣味の園芸「やさいの時間」講師等、数多くのメディアで活躍。
園芸の魅力を語る講演・講座も人気。

害虫

アブラムシ類

ジャガイモ(じゃがいも)に発生する害虫の代表格は「アブラムシ類」です。アブラムシとは、植物や野菜に群生する昆虫で、体は小さく、1~4mmほどしかありません。しかし、群れになって植物を襲うので大きな被害を受けます。
アブラムシ類が植物につくと、植物は汁を吸われて成長が止まり、やがて枯死します。また、アブラムシ類の排泄物に菌が発生し、葉が黒くなることもあります。

アブラムシ類

対処法

  • 予防

    特定防除資材の「酢」が原料の製品を散布するのがおすすめです。

  • 駆除

    数が少ない場合は、セロハンテープを利用することをおすすめします。
    多く発生している場合は、薬剤を使用ください。

テントウムシダマシ・ヨトウムシ類

テントウムシダマシ
10月上旬に発生します。別名「ニジュウヤホシテントウ」とも呼ばれています。
テントウムシは、アブラムシなどの害虫を食べる益虫として知られていますが、テントウムシダマシは葉や若い果実を食害する害虫です。
成虫の体長は6~7mmで、28個の斑点があるのが特徴です。幼虫・成虫ともに表皮を薄く残して葉裏や果肉を食害し、食害痕が階段状に残ります。

テントウムシダマシ

ヨトウムシ類
発生時期は、4月~6月と9月~10月です。
夜行性で日中は株元に潜み、夜の間に葉を食害します。大食漢で、ひどい場合には葉脈を残して葉を食べつくし、大発生するとガサガサと食害する音が聞こえることもあります。

ヨトウムシ

対処法

  • 予防

    防虫ネットをかける。

  • 駆除

    見つけたら捕殺する。
    すぐに駆除したいという方は、薬剤を使用ください。

よくあるご質問

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