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失敗しないアサガオ(朝顔)の育て方。
鉢植えで花をたくさん咲かせるには?

失敗しないアサガオ(朝顔)の育て方。鉢植えで花をたくさん咲かせるには?

暑さが厳しい夏、早朝から涼しげな薄紫や青色のきれいな花を咲かせるアサガオ(朝顔)。少ないスペースでも栽培しやすく、ツルを伸ばしてどんどん大きくなるので比較的育てやすいお花です。子供の頃に夏休みの自由研究で育てたことがある方も多いのでは?ただ育てていると、いつの間にか萎れてしまっていたり、育ったのに花があまりつかなかったり…なんて失敗をすることもしばしば。ここではアサガオの特徴や歴史などの基礎知識から、上手に育てるコツをお教えします。

野菜・花・果樹 育て方2024/06/06

アサガオの特徴と歴史

アサガオはどこからやってきた?

アサガオはどこからやってきた?

アサガオはヒルガオ科サツマイモ属の一年草で、意外に思われるかもしれませんが実はサツマイモの仲間なのです。日本原産の植物ではありませんが歴史は古く、伝わったのは奈良時代。当時の中国から、花を楽しむための観賞用の植物ではなく、薬用として持ち込まれたようです。7月から9月頃まで夏の長い期間、綺麗な花を咲かせて目を楽しませてくれます。

アサガオと言うと紫や青のラッパ型のお花を思い浮かべる方が多いと思いますが、その見た目は多種多様。赤~紫~青を中心にピンクや黄色など多彩なカラーから、グラデーションや縞が入った模様入りのもの、「変化アサガオ」と呼ばれる複雑な花びらの形を持ったものまで様々あります。他の植物と比べても圧倒的に種類が多く、なんと日本だけでも1000種類を超えると言われています。豊富な品種改良のきっかけとなったのは、江戸時代に起こった空前のアサガオブーム。その後も何度も愛好家の間でブームが起こり、今も続く夏の「朝顔市」に代表されるように、日本人に身近なお花として多くの人に愛されています。

アサガオの育て方

種のまき方と発芽しやすくする方法

種のまき方と発芽しやすくする方法

苗から育てる方が失敗は少ないですが、アサガオは種からでも育てることができます。その場合、アサガオの性質に合わせてちょっとだけ手間をかけると、その後の育ち方が変わってきます。

  • 植える時期

    まず種まきのタイミングですが、発芽適温となる20~25℃を越えないと発芽しないので、1日の気温が発芽適温の20~25℃を上回る5~6月頃を種まきの目安にしてください。アサガオは「短日性」の植物のため、ある程度日が短くならないと花が咲かないという性質を持っています。そのため、どんなに早くから種をまいたとしても、開花時期は7月中旬以降になります。順調に育てば1~2ヵ月ほどで開花します。

  • 種まき

    アサガオの種は表面がとても硬い「硬実種子(こうじつしゅし)」のため、表皮をやすりなどで軽く傷つけておく(硬実処理)と芽が出やすくなります。事前に硬実処理をしている種も販売されていますので、購入の際に種袋の記載をチェックして、選ぶのも良いでしょう。種をまく前に一晩水につけて吸水させておくのも、発芽しやすくなるのでおすすめです。

    準備ができたら、土を入れた鉢やプランターに指で2~3ヵ所植え穴を開けて種をまいていきましょう。この時に種の形をよく見て、縦の角が丸くなっている方を上に、角ばっている方を下にしてまくようにします。アサガオは、光を嫌う「嫌光性(けんこうせい)」のため、光が入ると発芽しにくくなります。そのため、まいた後は必ずしっかり種に土をかぶせて(覆土)いきましょう。また発芽まではしっかり水やりをして、土が乾かないように注意してください。まいてから1週間程度で双葉が出でてきますので、まいた種から芽が出揃うのを待ちます。双葉が出揃ったら、その中から太く健康な芽だけを残し、残りは間引きをします。

育て方はコチラ

アサガオの育て方

花を増やす工夫

花を増やす工夫

  • 肥料と水やり

    夏は土の乾燥が早く、特に鉢やプランター栽培は水不足になりがち。水やりは夏は朝と夕方に土の表面を触ってみて、乾いているようならたっぷりと底から水が出るまであげてください。肥料は、最初の植え付け時の用土に入っている元肥である程度元気に育ちますが、植え付けから3~4週間ほど経過したら、月2~3回くらいのタイミングで追肥として液体肥料を施しましょう。

  • 摘心

    摘心(てきしん)とは芽の先端を摘み取る作業のことです。伸びている新しい芽を切るのは勇気がいるかもしれませんが、この作業をすることで、摘み取った芽の下のふしにあるわき芽が伸びるので、結果として全体にボリュームが出て花がたくさん咲きます。タイミングとしては、本葉が8~10枚程度に育った頃に、ツルの先端である頂芽を摘み取りましょう。

  • 花がら摘み

    咲き終わった花弁(花びら)を摘み取ることを、花がら摘みと呼びます。咲き終わった花のすぐ下、がくの部分から指で摘み取るかハサミで切り落とします。この作業をこまめに行うことで、種を付けるための栄養を次の花に回すことができ、花が付きやすくなるのです。また枯れた花はそのままにしておくと病気の発生源になるため、病気の予防にも繋がります。

  • 花が咲かない場合

    アサガオは「短日性(たんじつせい)植物」と言って、昼の長さが短くなると花芽がどんどんできて咲くという特性を持っています。通常なら7月中旬以降、8月から9月にかけて開花します。その時期になっても花が咲かない場合、夜間もアサガオに照明や街灯の光などが当たって昼がまだ長いと判断してしまっている可能性があります。その場合は、夜間暗くなる場所にアサガオを移動させましょう。

アサガオの病害虫対策

アサガオの病害虫対策

大切に育てていても、病気や害虫が発生してしまうと成長が妨げられてしまいます。見つけたらできるだけ早く対応しましょう。

  • うどんこ病

    葉の表面や茎が葉や粉をふりかけたように白っぽくなっていたら、うどんこ病が発生している可能性があります。うどんこ病は白いカビ(糸状菌)が原因で栄養分を吸収してしまい、進行すると茎や葉がねじれて枯れてしまいます。伝染する病気のため、見つけたら白くなった部分を早めに取り除くことが重要です。日当たりや風通しをよくしておくと発生予防になりますし、事前にうどんこ病の発生予防ができるスプレーを用いるのも効果的です。

  • モザイク病(ウイルス病)

    葉の表面が透けて見えたり、緑色のモザイク柄に見えたらモザイク病(ウイルス病)に感染しているかもしれません。発生初期に発見できれば、感染した葉を取ることによって拡大を防ぐことができますが、全体が感染していたら株ごと処分しなければならなくなります。モザイク病はアブラムシで媒介される病気ですので、アブラムシの対策も重要です。

  • アブラムシ類

    葉や茎に、黄緑色や黒褐色の粒状のものが付着していた場合は、アブラムシ類の可能性が大。アブラムシ類は特に新芽を好んで寄生し、栄養分を吸い取ってしまいます。数が少ない場合は粘着性のテープで取るなどで対処できますが、多く発生してしまった場合は薬剤を活用するのが良いでしょう。予め発生を予防できるスプレーを活用するのも効果的です。

  • ハダニ類

    ハダニ類は0.5mmの非常に小さな虫で、葉裏に発生して汁を吸うので葉が白くカスリ状になり、進行すると変色して枯れてしまいます。ハダニ類が発生している場合には、葉に勢いよく水のシャワーで当てて、洗い流すようにしてください。症状が進行してしまった場合は、ハダニに適用のある薬剤を使うことをおすすめします。

グリーンカーテンとしても大活躍

グリーンカーテンとしても大活躍

アサガオを鉢植えで育てる場合、支柱を3~4本立てる「あんどん仕立て」にすることが多いですが、窓近くで育てて自然の木陰を作る「グリーンカーテン」にすることもできます。 グリーンカーテンは葉が窓からの日差しを遮ってくれるので、室内温度の上昇を抑えて、暑い夏でも過ごしやすくしてくれます。

グリーンカーテンを作る際、まずは日陰を作りたい窓の下等を選んでプランターを設置します。プランターにアサガオの種をまき、つるが50cm程度に伸びたら窓際にネットなどを設置します。この時、支柱を立てる場合は途中で倒れないようにしっかりと固定し、ネットなどは紐などで留めておきます。ネットは風であおられないように、できるだけピンと張っておくことがポイントです。

それからつるをネットに巻き付けるようにして誘引させますが、うまく留まらない場合は園芸用のテープなどを活用すると良いでしょう。その後も都度、手作業でつるを誘引して、葉が満遍なく茂るよう気を配ってください。暑さが厳しくなる7~9月の期間、涼しい木陰とアサガオの開花を楽しめます。

子供の頃から見知っていて、とっても身近に感じるお花、アサガオ。しかし種類の多さや特性・育て方の工夫など、まだまだ新しい発見も多い奥深い植物なのです。過去に育てたことがあり、失敗した経験から苦手意識がある方もいるかもしれません。そんな方も是非、今回のチェックポイント踏まえた上で再チャレンジしてみてくださいね。

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