卵から成虫まで2週間。一生に500個の卵を産むハエの繁殖サイクルがすごい。

ハエ
2018/05/15
卵から成虫まで2週間。一生に500個の卵を産むハエの繁殖サイクルがすごい。

トイレの水洗化やゴミ収集など公衆衛生の向上に伴い、数は減少傾向にはあるものの、それでもいなくならないハエ。暖かくなってくると増えてくる嫌な虫の1つです。どんなに人間の住環境が整っても、ハエをこの世から根絶させるのは極めて困難。そのワケは、ハエの早い繁殖サイクルにありました。

不快なだけじゃない、病原菌を運ぶハエ。
よく見かけるハエの種類を画像付きで解説。

日本だけでも約3,000種に及ぶハエが生息し、そのうち人間や家畜に病気を媒介するのは約100種。葉にもぐり込んで食害するハモグリバエ(エカキムシ)や、植物の花・果実・種子などに宿るタイプの寄生バエもいますが、今回は衛生害虫のハエに焦点をあてて解説していきます。ハエの種類や生態を知ることが、ハエの害に悩まされない環境づくりの第一歩です。

ハエはしばしば住宅に侵入し、不快感を与える代表的な虫。けれど、害はそれだけではありません。汚物と人間が口にする食品の間を往来し、様々な病原体を媒介することでも知られています。人間や家畜に媒介される病気は、赤痢・コレラ・チフス・ポリオ・O-157など60種以上。私たちの健康を脅かす危険な虫といっても過言ではないでしょう。

トイレくさいと評判の花「ラフレシア」
トイレくさいと評判の花「ラフレシア」

すべてのハエが“悪”というワケではなく、なかには花粉を運び、受粉の手助けをするハエも存在します。幻の花とも呼ばれる世界最大級サイズの「ラフレシア」。その花粉もハエによって運ばれますが、トイレくさいとも言われるこの花の受粉を助け、開花させることがいいことかと言うと…賛否両論で意見は分かれるかもしれません。

イエバエ
イエバエ
ニクバエ
ニクバエ
クロバエ
クロバエ

日本でよく見かける代表的なハエと言えば、イエバエニクバエクロバエなど。その名の通り、イエバエは人間の家の中に侵入しては食卓を飛び回ったり、食べ物や生ごみに止まったりするハエです。ニクバエは肉食性で腐敗した動物の死体などを好み、クロバエは黒っぽい色をしています。家の中でハエを見かけた場合、イエバエ科のハエである可能性が高いと言えるでしょう。

身近だけど、意外と知られていないハエの話。
手足を擦りあわせている、あの不思議な行動は何のため?

「蝿/蠅」と書いて、ハエ。なぜそう呼ばれるようになったのか、名前の由来には諸説あります。前足をスリスリして拝んでいる様子の“拝(はい)“が 語源である説、縄を編んでいるように見えるという説、「羽ふるう(ハネフルウ)→ハウル→ハエル→ハエ」となっていったとされる説…どれも可能性がありそうですね。

「やれ打つな蠅が手をすり足をする」という俳句は有名ですが、ハエが手足を擦りあわせるのは、決して命乞いをして、叩かないでと拝んでいるワケではありません。あの独特の行動はグルーミング(英:grooming)と呼ばれ、足に感覚器(味覚器)があるため擦りあわせてゴミを落とし、常にキレイにしているのです。このグルーミングという行動はハエ以外の昆虫のいくつかでも見られます。

蠅は夏の季語。当時から夏によく発生し、ブーンと飛んできていたのでしょう。「五月蠅い(うるさい)」と仮名に“蠅(ハエ)”の漢字があてられているのも、五月頃にハエの羽の音がやかましかったことからだと言われています。種類によっても異なりますが、現在もハエの多くは暖かくなると発生しやすく、気温が20℃を超えると活発になります。

ただでさえ早いハエの繁殖サイクル。
繁殖のスピードを上げてしまう条件とは?

私たちの住環境が整っていくにつれ、ハエは子孫繁栄がしにくく生きづらい世の中になっているはずなのに、ハエが絶滅する気配はありません。その理由の1つが、短期間で爆発的に繁殖してしまうから。例えばイエバエの場合、雌は好条件だと3~4日間隔で6回程度も産卵。1回あたりの産卵数は150個に及ぶことも…。気温やエサの量などの環境によっても変化しますが、一生のうちに通常500個以上も産卵してしまいます。

単純に数が多いというだけではありません。卵として産み落とされ、2週間も経たずに成虫になってしまうハエ。ちなみに、ハエの子どもはコバエではなく、蛆(うじ)です。

気温が20℃のとき、イエバエの卵期間は約1日、幼虫期間は約9日、蛹期間は約10日。気温が5℃上がり25℃になると、幼虫期間と蛹期間はそれぞれ約6.5日。さらに5℃上がり30℃になると、幼虫期間と蛹期間はそれぞれ約4.5日と、その繁殖スピードは加速します。イエバエの繁殖力のピークは30℃前後。暑すぎても増殖力は鈍化しますが、好条件が揃ったときの繁殖していくスピードは驚異的です。“ハエ算“なんて言葉があるのもうなずけますね。

ハエは食べ物や生ゴミに止まり、唾液と酵素で食べ物をドロドロのスープ状にして吸い上げます。まずは、主な発生源を減らすことが大切。ご家庭でも簡単にできる対処法としては、フタ付きのゴミ箱を使い、生ゴミを溜めないようにすることです。食べ終わったらすぐ片づけるなど、ちょっとの工夫で繁殖のリスクを軽減することができますよ。

すごいのは繁殖サイクルだけじゃない。
ハエ叩きを華麗にかわす彼らを仕留めるには?

ハエは必ずしも家の中で発生しているとは限りません。ハエの飛行距離はなかなかのもので、種類によっては発生源から数km程度は普通に移動可能です。発生場所が自宅でなくとも、空気の入れ替えをしたり、洗濯をとり込んだりした際に入ってしまうことも多々あります。でも、簡単には追い出せず、また、ハエ叩きや丸めた新聞紙で仕留めるのに苦労したという方も多いのではないでしょうか。ハエのすごい能力を3点ご紹介します。

1ハエは飛翔能力が高い。

意外と器用に飛ぶのがハエの特徴。ホバリング(空中停止)を得意とし、高速で急激な方向転換など 高度な飛翔もこなします。緩急つけて逃げ回るハエを仕留めるのは容易ではありません。

2手の届かないところにも止まる。

足の先の褥盤(じょくばん)から粘液を出し、細い足で自分のカラダを支えて静止。机や壁はもちろん、ツルツルした窓や高い天井にだって止まれます。その姿はまるで天井から私たちを見下しているかのようです。

3動体視力が優れている。

ハエの目を拡大してみると、たくさんの小さな目(個眼)が集まり、「複眼」となっていることが分かります。視力は高くありませんが、動体視力に優れるハエ。そんなワケでハエ叩きからも華麗にかわすことが可能なのです。

センチニクバエの目

駆除が容易ではないところもまた、ハエのすごいところかもしれません。

ゴキブリに比べるとやや地味ですが、汚さでいったらハエもいい勝負ではないでしょうか。仕留める難易度は低くないので、ハエ叩きは意外と苦労するかもしれません…。裏ワザとして、ハエを食べてくれる食虫植物「ハエトリグサ」を栽培してみることもご紹介しておきます。でも、やっぱりハエの王道の駆除方法でおすすめなのは、強力ジェット噴射で素早いハエを仕留める『アースジェット』。おうちにあると便利な1本です。

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