アース製薬

MA-Tを用いた機能的な口腔ケアジェルの開発

研究分野別
  • 唾液腺
アイテム別
  • N.actオーラルリムーバルジェル
  • N.actマウスウォッシュスプレー

大阪大学大学院歯学研究科
教授
阪井 丘芳先生

Summary

【歯科衛生士・看護師・言語聴覚士の願いから生まれた革新的な口腔ケア用品】

 超高齢社会において、医療現場・介護現場での口腔ケアの重要性が高まっています。
 そこで、日頃の臨床現場に向き合う医療従事者から『口腔ケアを実施する側・口腔ケアを受ける側の双方にとって、剥離上皮・プラークを含むバイオフィルムを安全かつ効果的に除去できる』機能的な口腔ケア用品が求められてきました。
 これまでに様々な口腔ケア用品が販売されてきましたが、性状・味・ニオイ・色合い・保湿などを焦点にして開発されたものが多く、口腔内への害性を考慮して、除菌成分や汚れを取り除く成分を効果的な濃度まで配合することが難しいとされてきました。
 そこで、口腔内への害性が無く、安全に手早く汚れをとることのできる機能的な口腔ケア用品を歯科衛生士・看護師・言語聴覚士の皆様と開発しようと考えました。現場では、口腔乾燥が著しい患者で剥離上皮や喀痰・血餅が口腔内で固まった状態では、汚れをとるのはどうしても時間がかかります。また、脳血管障害患者は抗凝固剤を服用している場合が多く、出血のリスクや口腔ケアにより心臓や肺に負担をかけないことが重要です。より現場で使いやすい成分を探し求めている中、出会ったのが『MA-T』(エム・エー・ティー)でした。

【新しい除菌消臭成分MA-Tと口腔ケアジェルの開発経緯】

 MA-Tは『要時生成型亜塩素酸イオン水溶液』と呼ばれます。MA-Tは水と同じような性質を持ちながら、水溶液中に細菌・ウイルスが存在すると亜塩素酸イオンから反応性の高いラジカルが生成され、細菌・ウイルスを攻撃します。反応が終わると、再び水と同じ状態に戻ります。これまでにMA-Tは、酸化制御技術や除菌消臭剤など各方面に応用されてきており、すでに様々な商品が発売されています。
 MA-Tの反応を口腔内のこびりついた汚れなどに応用できないかと考えました。薬学研究者の強いサポートと指導を受けながら、私、歯科衛生士・看護師とともに試行錯誤を重ねて数々の試作品を試してきました。半年近く研究を重ねた結果、驚いたことにMA-Tは、口腔粘膜や歯にこびりついた剥離上皮・プラーク等のバイオフィルムを効果的に柔らかくし、除去しやすくすることを見出しました(国際特許出願中)。
 多くの患者さんにもご協力いただき試作品を評価した結果、出血を起こすことなく剥離上皮・プラーク等も容易に除去できる口腔ケア製品が完成しました。患者さんと医療従事者の双方から好評で、MA-Tに期待されています。

MA-Tジェルの汚れ除去メカニズム

  • 本レポートは、「第75回日本口腔科学会学術集会」での阪井 丘芳 教授による講演記事をまとめた技術資料です。

「日本歯科評論」2022年5月号に掲載されたより詳細な学術資料をお送りいたします。
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