アース製薬

インプラント治療における
洗口液の有用性

研究分野別
  • インプラント
アイテム別
  • モンダミン ハビットプロ

東京医科歯科大学
名誉教授
春日井 昇平先生

Summary

 欧米ではクロルヘキシジンによる洗口が推奨されており、0.2%または0.12%グルコン酸クロルヘキシジンによる洗口が、プラーク付着を阻害し、歯肉炎を抑制することが明らかにされています。
 しかし、日本では、この濃度でのクロルヘキシジンの使用は禁止されていますので、クロルヘキシジンを含む洗口液を希釈して使用する必要があります。これは推奨される濃度と比較してかなり低濃度であり、臨床的効果は期待できないと思われます。
 そこで、東京医科歯科大学歯学部附属病院のインプラント外来において、インプラント埋入手術を受ける患者にモンダミンハビットプロを使用してもらい、縫合糸に付着する細菌数、創部の治癒に関して臨床試験を行いました。
 細菌数の測定においては、インプラント埋入手術後の抜糸時に、縫合糸を採取し、縫合糸に付着した細菌をリン酸緩衝液中に回収。得られたサンプルを希釈して培養を行い、形成された細菌のコロニー数を測定しました。
 図1は、モンダミンハビットプロを使用した場合(赤色)と、有効成分を含まないプラシーボの洗口液を使用した場合(青色)において、抜糸時に回収した縫合糸に付着していた細菌の数を示しています。
 この結果から、インプラント埋入手術後のモンダミンハビットプロの使用は、良好な口腔内環境の維持に有効であることが示されました。
 さらに、有効成分を含まないプラシーボの洗口液を使用した群に比較して、モンダミンハビットプロの使用群においては、創部の治癒が良好でした。
 モンダミンハビットプロには、抗菌作用を示す塩化セチルピリジニウム(CPC)、抗炎症作用を示すグリチルリチン酸ジカリウム(GK2)、創傷治癒促進効果を示すトラネキサム酸(TXA)が含まれているため、これらの薬物の効果が表れたと考えています。
 インプラント治療を成功させるためには、口腔内環境を良好に保ち、感染症を予防することが極めて重要です。しかし、インプラント埋入手術から抜糸するまでの期間は、炎症もあり、創部を安静にする必要もあるため、隣接する歯のプラークコントロールは困難です。
 モンダミンハビットプロは、口腔内の細菌数を減少させ、創部の治癒を促進することから、このようなインプラント埋入手術後の感染予防に有効です。
 従って、インプラント治療前の口腔環境の改善、埋入手術後の感染予防、補綴物装着後のメンテナンス期など、インプラント治療のすべてのステージにおいて、モンダミンハビットプロが有効であると考えています。

試験結果

図1 検体使用によるインプラント埋入手術の抜糸時に回収した縫合糸に付着する細菌数の変化(参考論文を元に編集)

  • 本レポートは、2020年に予定していました第3回アース・モンダミンセミナーの講演内容と、東京医科歯科大学で臨床研究をおこなって、海外の学術雑誌 Oral Health & Preventive Dentistry に掲載された『歯科医院専売モンダミンハビットプロ』についての下記論文をまとめたものです。

参考論文
Taninokuchi H, Nakata H, Takahashi Y, Inoue K, Kasugai S, Kuroda S. Evaluation of a cetylpyridinium chloride-, dipotassium glycyrrhizinate-, and tranexamic acid-based mouthwash after implant placement: A double-blind randomized clinical trial. Oral Health and Preventive Dentistry 19(1):157-167, 2021

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