蚊の種類

アカイエカ
アカイエカ
ヒトスジシマカ(ヤブ蚊)
ヒトスジシマカ(ヤブ蚊)
チカイエカ
チカイエカ

蚊のエネルギー源は糖分で、普段は花の蜜などを吸って生活しています。メスだけが産卵のための栄養源として吸血し、オスは吸血しません。人が出す炭酸ガスや皮膚のニオイ・温度を感知して吸血源を探し求めます。

蚊はその種類により吸血する時間が異なり、アカイエカは夕方から夜にかけて、ヒトスジシマカ(通称:ヤブ蚊)は昼から夕方にかけて吸血します。また、ビルの浄化槽で発生して、オフィスで吸血するのがチカイエカです。地下鉄などで見かける蚊もこのチカイエカで、年中発生します。アカイエカとチカイエカは酷似しているので、見分けることは困難です。

蚊の生態

一般的に見られる蚊は、アカイエカやヒトスジシマカ(ヤブ蚊)。蚊は水のあるところに卵を産み付けますが、蚊の種類によって、その場所は異なります。水のきれいなところを好むもの、汚いところを好むもの、広い場所を好むもの、空き缶や空き瓶などのわずかなたまり水を好むものなど多様です。

そのため、幼虫(ボウフラ)の生息場所も、池や下水溝、浄化槽、水田、古タイヤ、墓地の花立、空き缶など様々。ヒトスジシマカは、空き缶に溜まったような少量の水でも増殖できます。

蚊の生態
蚊の生態
蚊の生態

蚊の一生

気温25~30度の場合、アカイエカはわずか10日ほどで卵から成虫になるため、条件が揃えば爆発的に増えることがあります。蚊の寿命は種類や条件によって様々で、オスは羽化後数日、メスは数回産卵するためオスより長く生きる傾向にあります。成虫のメスは20~40日、またはそれ以上生きることも可能です。

卵 1.5日 幼虫(ボウフラ) 7~10日 蛹(オニボウフラ) 2~3日 成虫(1回に100~200個産卵) 卵 1.5日 幼虫(ボウフラ) 7~10日 蛹(オニボウフラ) 2~3日 成虫(1回に100~200個産卵)

蚊の害

蚊に刺されるとかゆみを生じます。これは、吸血の際、抗凝血作用物質(血が凝固することを防止するためのもの)を含んだ唾液を注入され、この唾液によってアレルギー反応を起こすためです。

しかし、蚊の被害で最も恐ろしいのは蚊に刺されることにより、感染症にかかってしまうことです。

蚊が媒介する感染症として日本では日本脳炎と、近年ではデング熱が広く知られています。ペットの病気としてフィラリア、海外ではマラリア、デング熱、ウエストナイル熱などがあります。

感染症が大きく取り上げられたのは、2014年8月に約70年ぶりに国内での感染が確認されたデング熱です。その後、日本各地で発症が相次ぎ、立ち入り禁止区域の拡大、イベント中止といった社会問題となりました。

蚊に刺されないためにできること

また、近年アメリカ全土を恐怖に陥れているウエストナイル熱は170種以上の鳥を宿主とし、43種以上の蚊が関与しており、感染の拡大を防ぐのは不可能です。航空機などの交通機関による日本への侵入も懸念されています。もっとも大切なのは、蚊に刺されないことです。

疾病 病原体 媒介する蚊
日本脳炎 日本脳炎ウイルス コガタアカイエカ
デング熱 デング熱ウイルス ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ
黄熱 黄熱ウイルス ネッタイシマカ
マラリア マラリア原虫 ハマダラカ
フィラリア フィラリア線虫 ネッタイイエカ
ウエストナイル熱 ウエストナイル熱ウイルス アカイエカ、ヒトスジシマカ など 43種
ジカ熱 ジカウイルス ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ

遠い国の話ではなくなってきている蚊の被害。実際、地球温暖化で日本も亜熱帯化が進んでいるといわれています。蚊に刺されたらかゆいだけでは済まされない環境にだんだんなってきているのが実情です。だから、私たちアース製薬は、蚊と戦い続けます。