アタマジラミの感染拡大を防ぐために教育機関でできる対策とは
目次
アタマジラミは初動の対応が大切です。
正しい知識をもって、しっかり対策を
アタマジラミは、日頃から清潔にしていても寄生します。決して不衛生が原因ではなく、髪の毛が接触することでうつるため、どんな環境でも感染のリスクがあります。
アタマジラミは素早く動くので、非常に見つけづらいです。
成虫が1匹見つかったときには、髪にかなりの数がいることもあり、すでに卵が産みつけられていることもあります。そのため、早期発見・早期対応が被害の拡大を防ぐカギとなります。
なお、アタマジラミ自体が病気を媒介することはありません。
保育園や幼稚園、小学校などの教育現場では、保護者の方から相談を受ける場合もあれば、園や学校でアタマジラミの被害を見つける場合もあります。
保護者の中には、アタマジラミについて十分な知識を持っていない方もいるかもしれません。
そのため、教育や医療機関の皆さまがリーダーシップをとり、正しい情報を共有しながら対策を進めることがとても重要です。

シラミについて詳しく学ぶ
配布用資料・リーフレット
教育機関や医療機関の関係者向けのアタマジラミの生態から駆除の方法までがわかりやすくまとまった配布用資料です。
またアタマジラミに関するリーフレットもダウンロードできます。

保育園・幼稚園・小学校での感染経路
アタマジラミは、特に子ども同士の接触が多い保育園や幼稚園・小学校などで広がりやすい傾向があります。また、直接的な接触だけではなく、帽子や寝具などを共有することによって感染することがあるので注意が必要です。
感染経路は主に3つあります。
頭を寄せ合って遊んでいる時
アタマジラミは主に髪の毛の接触によってうつります。
特に保育園や幼稚園などの小さい子どもは頭を寄せ合って遊ぶことが多く、感染する可能性が高いため注意が必要です。

お昼寝している時
寝ている時に髪の毛が接触すると、感染する可能性があります。
特に保育園等のお昼寝は子ども同士が近い距離で寝ることもあるので注意が必要です。

身の回りのものを共有する
普段使っている物の共有によってもうつることがあります。
- 帽子
- タオル
- クシ
- 枕
など頭に触れることの多いものは特に感染源になりやすいです。
アタマジラミの感染は1年中発生しますが、特に幼稚園・保育園・小学校では、
- プールシーズン(5〜7月)
- 秋(10〜11月)
に感染が増える傾向にあります。

もし、子どもたちがアタマジラミに感染してしまったら
まずは慌てずに冷静な対応を
アタマジラミは頭を清潔にしていても感染します。職員同士で正しい知識を共有し、落ち着いた対応を。職員の発言で子どもを傷つけたり、子ども同士でのからかいがないよう、気をつけましょう。
保護者にシラミ駆除剤を使った駆除方法をすすめる
感染が発覚したら、まずは保護者へ知らせるようにしましょう。
アタマジラミは自然に治ることはなく、繁殖能力が高いため放置すると被害が拡大します。教育機関で発見した場合は、感染した子どもの保護者にシアタマジラミがいること、そして正しい駆除方法を伝えることが重要です。
普通のシャンプーでは駆除が難しく、専用のクシを使う方法は髪のとかし方にコツが必要です。
効果的に駆除するためには、シラミ駆除剤の使用がおすすめです。
昔からピレスロイド系の薬剤が入ったパウダータイプやシャンプータイプの駆除剤がありますが、近年はピレスロイド系の薬剤が効きにくい薬剤抵抗性アタマジラミが出現していることが問題になっています。
また、ピレスロイド系薬剤は卵にも効きづらく、駆除しきれないといったデメリットもあります。
そこで、薬剤抵抗性アタマジラミや卵にも効果がある有効成分ジメチコン*が配合された駆除剤がおすすめです。
* ジメチルポリシロキサン

クラスまたは施設全体の親への周知をおこなう
感染拡大を防ぐためには、みんなで協力して対策をおこなうことが大切です。感染が確認された場合は、保護者間で誤った情報が広がらないよう、早めの情報共有を心がけましょう。ただし、周知の仕方には十分な配慮が必要です。
特に子ども同士の関係性に影響しないよう、個人が特定されない形での周知を検討しましょう。全体への一斉連絡が難しい場合は、状況に応じて、必要な範囲で慎重に伝えることも選択肢の一つです。
「清潔にしていないから感染する」といった誤解が生まれないよう、アタマジラミは誰にでも寄生することが伝わるように心がけましょう。
本ページでは教育機関で配布できるPDFを配布しているので、ぜひご活用ください。
施設内でおこなう対策
感染が確認されたら、感染拡大を防ぐためにも以下の対策に取り組みましょう。
- 頭髪のチェック:
- 生徒全員のアタマジラミや卵の有無を確認します。特に耳の後ろや襟足はしっかりチェックしましょう。
- 布類はこまめに洗濯:
- 可能であれば毎日洗濯し、清潔な状態を保つようにしましょう。
- 寝具を重ねない:
- 感染を防ぐため、子どもたちの布団を重ねないようにしましょう。
- 物の共有を避ける:
- 帽子やクシなど、頭に触れるものを子ども同士で共有しないように促しましょう。
- お昼寝時の間隔:
- お昼寝のときは布団の間隔を空けて、髪の毛が接触しないようにしましょう。
- 施設内のこまめな掃除:
- 床やカーペットなど、アタマジラミが落ちる可能性のある場所を清掃しましょう。
アタマジラミは熱に弱く、55℃以上のお湯に5分以上浸ければ、付着している幼虫・成虫・卵を死滅させることができます。また、衣類乾燥機の使用も一定の効果があります。
ただし、施設内の布類を毎日洗濯をするのは負担も大きいため、布用のシラミ駆除剤を活用するのもおすすめです。
有効成分であるフェノトリンが、シラミやダニの成虫・幼虫に優れた殺虫効果を発揮します。
寝具(ふとん、まくら)、カーペット、帽子などに1度スプレーするだけで、駆除効果が約7日間持続します。
関連動画
アタマジラミの生態・予防・駆除方法をわかりやすく動画にまとめました。
アタマジラミの話 1
「アタマジラミって、なに?」
人の頭髪に寄生するアタマジラミの生態について詳しくご紹介します。
- アタマジラミの形や大きさ
- アタマジラミの一生
- アタマジラミの感染経路
アタマジラミの話 2
「どこから感染するの?対策は?」
アタマジラミはあっという間に繁殖します。どこから感染するのか、家庭でおこなう駆除方法や対策について詳しくご紹介します。
- アタマジラミの感染経路
- アタマジラミの駆除方法
- 感染拡大を防ぐ対策
アタマジラミの話 3
「しっかり駆除するには」
アタマジラミが頭髪に寄生すると駆除が大変です。感染拡大を防ぐためにも、早めにしっかり対処しましょう。そこで、アタマジラミの駆除方法について詳しくご紹介します。
- アタマジラミの駆除のポイント
- 薬剤抵抗性アタマジラミについて
- 有効成分ジメチコンについて
- アース シラミとりローションの使い方